Colloidal Display
物質と映像について探求を続けている。東京の街並みと空を背景に 青く輝くモルフォ蝶が浮かんでいる。シャボン膜の表面に朧げに映 し出される物質的な映像は、超音波振動によって透明な薄膜を振動 させて得られる拡散状態と映写機の光によって表現されている。物 質的で不完全であるが、有機的に輝く胡蝶の像だ。シャボン膜のよ うな透明な薄膜は光が透過するため、映像を投影することができな い。超音波でその光を高速に拡散している。この作品は触れれば消 えてしまう物質的な脆弱性と、薄さ1マイクロメートルに満たない 薄膜の上で超音波振動と光の出会う場所でのみ描かれるという特殊性の上に成り立つ。映像という音と光によるメディアを再考し、よ り物質性を持った映像表現への探求。反射と光、低解像度と高解像 度、液体と固体、透明と拡散、物質と映像の間をまたがるメディア。 幽玄や山紫水明という美意識。微かなことと確かなこと,高解像度と 低解像度のギャップに美しさを見出す我々のメディア意識は平安中期 から継続する。儚いもので作られる鮮明な表現を望んでいる.

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