音の形,伝達,視覚的再構成
イルカの音を聴きながら,自分の存在の内と外を観ている.その音を録り,再びそれで水面を揺らした. 揺らした水面はレンズになり,ホログラムを作り,視覚的に音の波を描き出す. これは音で見る世界を,再構成する対話だ. イルカについて考えるとき, 何千万年もかけて水中にネットワークを構成してきた生き物を考えた. 三次元空間を音で探り,情報を伝達する.視点を共有し, その反響に存在を描き出す. その姿はまるで波を切り取ったように美しい.波の形をした生き物だ. もし我々が完全な伝達が行われるようになった世界には, 風景は失われるのだろうか. ここで計算機が然び,波を揺らし, アナログな高解像度な世界に再び投射した風景を観ている. 機械同士の物理的なコミュニケーションを用いて,ひとつながりの自然を分断する. そして再び融和と対峙し,感覚を三人称に変換する音盤.

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